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夜尿症(おねしょ)の治療について

saru.jpg おねしょと夜尿症(やにょうしょう)の違いとは?

 5歳未満の子どもでは、おねしょがあっても必ずしも病気とはいえませんが、5歳以降で、1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続く場合は、「夜尿症」という病気として扱われます。夜尿症は5歳で5人に1人(20%)、小学校高学年で20人に1人(5%)にみられます。
 日本では夜尿症の子どもが約70万人いると推計されていますが、そのうち医療機関を受診している子どもは約16万人で、実際に治療を受けているのは約5万人とされており、治療率は低いと報告されています。

saru.jpg 夜尿症の原因とは?

 簡単に説明すると、夜寝ている時につくられる尿の量が多い、かつ夜間膀胱に貯めることができる尿の量が少ない(膀胱が小さい)と、寝ている間に膀胱が満タンになり、尿意を感じる子どもはトイレで排尿しますが、尿意を感じることができない子どもはおねしょになります。

saru.jpg どういう場合に病院を受診すればよいの?

 夜尿が週に3回未満であれば、10歳前後で自然に治る確率が高くなりますが、週に3回以上の場合は、9歳あたりから治りにくくなることがわかっています。つまり夜尿の回数が多い子どもほど、夜尿症がなかなか治らず、長引くことが予想されます。
15歳以上になっても、約200人に1人は夜尿症が治らず悩んでいます。

 具体的には年長児(5~6歳)の時点でほぼ毎晩おねしょがみられる場合は、一度病院を受診してもらって簡単な尿検査などを行った上で生活の指導を行い、小学校に入学する前後から治療を開始するかどうか相談していくスケジュールがおすすめです。

 9~10歳の時点でほぼ毎晩夜尿を認める場合は、その後自然に良くなる確率は低くなりますので、早めに病院を受診して、治療を開始することが重要です。少なくとも8歳前後から治療を開始することにより、自然学校や修学旅行など宿泊を伴う行事にも安心して参加できる可能性が高くなります。

saru.jpg 夜尿症の治療について?

 以前は膀胱の収縮を抑えて尿を貯めやすくする抗コリン薬の内服が行われていましたが、あまり効果がないことがわかっています。最近では①体内で尿の量や水分を調節している抗利尿ホルモンと同じ作用のあるミニリンメルト®を内服する薬物療法と、②寝る前にパンツに小さなセンサーをつけることで、尿でパンツが濡れるとアラームが鳴ることにより、睡眠中の膀胱容量が増え、より多くの尿を貯められるようになるアラーム療法の2つが有効であるとされています。
いずれも夜尿症の治療として効果のあることはわかっていますが、アラーム療法はアラームの費用がかかる(3ヶ月で約12,000円)ため、当院ではまずは薬物治療を行い、あまり改善を認めない場合には、アラーム療法の併用をおすすめしています。

saru.jpg 夜尿症治療のゴールについて

 夜尿症治療のゴールは、おねしょの卒業です。夜尿症の子どもは、自尊心が低い、劣等感を抱く、宿泊行事が憂うつになることが知られています。夜尿症は子どもだけ、保護者だけではなく、子どもと保護者がモチベーションを高めて、一緒にゴールを目指すことが重要です。まずは難しく考えずに、一度外来に相談に来てみて下さい。

参考文献
スマイル!こども日誌(フェリング・ファーマ/協和発酵キリン株式会社)
最新の夜尿症治療戦略を考える(フェリング・ファーマ/協和発酵キリン株式会社)
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